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大飯判決に何を学ぶか-⑩準備中のまま年を越します。 [原発問題・大飯判決]

次のとおり8月ぐらいから準備してたのですが、年内に書く時間が取れそうにないので、判決文のみお読みいただくようお願いします。
 本日は、午後に高浜原発運転差し止め仮処分の異議に関する決定と合わせて、大飯原発の運転差し止め仮処分の決定も出ます。結果を見てからアップした方がいいのでしょうが、あの大飯判決と、高浜決定が覆されることのないよう祈っております。


”大飯判決に何を学ぶか”が中断しておりましたが、復活させていただきます。

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/237/084237_hanrei.pdf
「当裁判所の判断」以降を使わせていただいて、「6 閉じこめるという構造について(使用済み核燃料の危険性)」から再開いたします。

6 閉じこめるという構造について(使用済み核燃料の危険性)

(1) 使用済み核燃料の現在の保管状況
原子力発電所は,いったん内部で事故があったとしても放射性物質が原子力発電所敷地外部に出ることのないようにする必要があることから,その構造は堅固なものでなければならない。
そのため,本件原発においても核燃料部分は堅固な構造をもつ原子炉格納容器の中に存する。他方,使用済み核燃料は本件原発においては原子炉格納容器の外の建屋内の使用済み核燃料プールと呼ばれる水槽内に置かれており,その本数は1000本を超えるが,使用済み核燃料プールから放射性物質が漏れたときこれが原子力発電所敷地外部に放出されることを防御する原子炉格納容器のような堅固な設備は存在しない(前提事実(5)ア)


(2) 使用済み核燃料の危険性
使用済み核燃料は,原子炉から取り出された後の核燃料であるが,なお崩壊熱を発し続けているので,水と電気で冷却を継続しなければならないところ(前提事実(5)イ),その危険性は極めて高い。福島原発事故においては,4号機の使用済み核燃料プールに納められた使用済み核燃料が危機的状況に陥り,この危険性ゆえに前記の避難計画が検討された。原子力委員会委員長が想定した被害想定のうち,最も重大な被害を及ぼすと想定されたのは使用済み核燃料プールからの放射能汚染であり,他の号機の使用済み核燃料プールからの汚染も考えると,強制移転を求めるべき地域が170キロメートル以遠にも生じる可能性や,住民が移転を希望する場合にこれを認めるべき地域が東京都のほぼ全域や横浜市の一部を含む250キロメートル以遠にも発生する可能性があり,これらの範囲は自然に任せておくならば,数十年は続くとされた(甲31)。
平成23年3月11日当時4号機は計画停止期間中であったことから使用済み核燃料プールに隣接する原子炉ウエルと呼ばれる場所に普段は張られていない水が入れられており,同月15日以前に全電源喪失による使用済み核燃料の温度上昇に伴って水が蒸発し水位が低下した使用済み核燃料プールに原子炉ウエルから水圧の差で両方のプールを遮る防壁がずれることによって,期せずして水が流れ込んだ。また,4号機に水素爆発が起きたにもかかわらず使用済み核燃料プールの保水機能が維持されたこと,かえって水素爆発によって原子炉建屋の屋根が吹き飛んだためそこから水の注入が容易となったということが重なった(甲1・159ないし161頁,甲19・215頁ないし240頁)。そうすると,4号機の使用済み核燃料プールが破滅的事態を免れ,上記の避難計画が現実のものにならなかったのは僥倖ともいえる。


(3) 被告の主張について
被告は,原子炉格納容器の中の炉心部分は高温,高圧の一次冷却水で満たされおり,仮に配管等の破損により一次冷却水の喪失が発生した場合には放射性物質が放出されるおそれがあるのに対し,使用済み核燃料は通常40度以下に保たれた水により冠水状態で貯蔵されているので冠水状態を保てばよいだけであるから堅固な施設で囲い込む必要はないとするが(第3の3被告の主張(1)),以下のとおり失当である。


ア 冷却水喪失事故について
使用済み核燃料においても破損により冷却水が失われれば被告のいう冠水状態が保てなくなるのであり,その場合の危険性は原子炉格納容器の一次冷却水の配管破断の場合と大きな違いはない。むしろ,使用済み核燃料は原子炉内の核燃料よりも核分裂生成物(いわゆる死の灰)をはるかに多く含むから(前提事実(5)イ),(2)に摘示したように被害の大きさだけを比較すれば使用済み核燃料の方が危険であるともいえる。原子炉格納容器という堅固な施設で核燃料を閉じこめるという技術は,核燃料に係る放射性物質を外部に漏らさないということを目的とするが,原子炉格納容器の外 部からの事故から核燃料を守るという側面もあり,たとえば建屋内での不測の事態に対しても核燃料を守ることができる。そして,五重の壁の第1の壁である燃料ペレットの熔解温度が原子炉格納容器の溶解温度よりもはるかに高いことからすると(被告準備書面7頁によると,①核燃料ペレット,②燃料被覆管,③原子炉圧力容器,④原子炉格納容器,⑤建屋の溶解温度は,それぞれ,①が2800度,②が1800度,③及び④が1500度,⑤が1300度であり,外に向かうほど溶解温度が低くなっている。),原子炉格納容器は炉心内部からの熱崩壊に対しては確たる防御機能を果たし得ないことになるから,原子炉格納容器の機能として原子炉格納容器の外部における不測の事態に対して核燃料を守るという役割を軽視することはできないといえる。なお,被告はかような機能は原子炉格納容器には求められていないと主張するが,他方では原子炉格納容器が竜巻防御施設の外殻となる施設であると位置づけており(甲68・35ないし36頁),被告の主張は採用できない。
福島原発事故において原子炉格納容器のような堅固な施設に囲まれていなかったにもかかわらず4号機の使用済み核燃料プールが建屋内の水素爆発に耐えて破断等による冷却水喪失に至らなかったこと,あるいは瓦礫がなだれ込むなどによって使用済み核燃料が大きな損傷を被ることがなかったこと(甲1・159ないし161頁,甲19・215ないし240頁)は誠に幸運と言うしかない。使用済み核燃料も原子炉格納容器の中の炉心部分と同様に外部からの不測の事態に対して堅固な施設によって防御を固められてこそ初めて万全の措置をとられているということができる。


イ 電源喪失事故について
上記のような破断等による冷却水喪失事故ではなく全電源が喪失し空だき状態が生じた場合においては,核燃料は全交流電源喪失から5時間余で炉心損傷が開始する。これに対し,使用済み核燃料も崩壊熱を発し続ける から全電源喪失によって危険性が高まるものの,時間単位で危険性が発生するものでない。しかし,上記5時間という時間は異常に短いのであって,それと比較しても意味がない。
被告は,電源を喪失しても使用済み核燃料プールに危険性が発生する前に確実に給水ができると主張し,また使用済み核燃料プールの冷却設備は耐震クラスとしてはBクラスであるが(別紙4・別記2第4条2二参照),安全余裕があることからすると実際は基準地震動に対しても十分な耐震安全性を有しているなどと主張しているが(第3の3被告の主張(2)),被告の主張する安全余裕の考えが採用できないことは5(2)オにおいて摘示したとおりであり,地震が基準地震動を超えるものであればもちろん,超えるものでなくても,使用済み核燃料プールの冷却設備が損壊する具体的可能性がある。また,使用済み核燃料プールが地震によって危機的状況に陥る場合にはこれと並行してあるいはこれに先行して隣接する原子炉も危機的状態に陥っていることが多いということを念頭に置かなければならないのであって,このような状況下において被告の主張どおりに確実に給水ができるとは認め難い。被告は福島原発事故を踏まえて使用済み核燃料の冷却機能の維持について様々な施策をとり,注水等の訓練も重ねたと主張するが,深刻な事故においては発生した事象が新たな事象を連鎖的に招いたりするものであり,深刻事故がどのように進展するのかの予想はほとんど不可能である。原子炉及び使用済み核燃料プールの双方の冷却に失敗した場合の事故が福島原発事故のとおり推移することはまず考えられないし,福島原発事故の全容が解明されているわけでもない。たとえば,高濃度の放射性物質が隣接する原子炉格納容器から噴出すればそのとたんに使用済み核燃料プールへの水の注入作業は不可能となる。弥縫策にとどまらない根本的施策をとらない限り「福島原発事故を踏まえて」という言葉を安易に用いるべきではない。
本件使用済み核燃料プールにおいては全交流電源喪失から3日を経ずして冠水状態が維持できなくなる(甲70・15-14頁)。我が国の存続に関わるほどの被害を及ぼすにもかかわらず,全交流電源喪失から3日を経ずして危機的状態に陥いる。そのようなものが,堅固な設備によって閉じこめられていないままいわばむき出しに近い状態になっているのである。


(4) 小括
使用済み核燃料は本件原発の稼動によって日々生み出されていくものであるところ,使用済み核燃料を閉じ込めておくための堅固な設備を設けるためには膨大な費用を要するということに加え,国民の安全が何よりも優先されるべきであるとの見識に立つのではなく,深刻な事故はめったに起きないだろうという見通しのもとにかような対応が成り立っているといわざるを得ない。


ここはコメントでお知らせしておいた岩波科学への高島武雄氏、後藤政志氏投稿論文です。
https://drive.google.com/file/d/0B78Zj1ROeNA-aGpPMlNyV0p5WkE/view?pli=1
加圧式原発の水蒸気爆発の危険性について述べられた貴重なものです。ぜひご一読いただきたいと思います。

 アベはもう再稼働に前のめりです。改めることはないでしょう。退陣させるしかありません。
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高浜仮処分再び勝ってくれ!! [原発問題・再稼働]

気がつくのが遅かったです。決定は年明けかと思ってました。なんとクリスマスイブです。

http://www.datsugenpatsu.org/bengodan/news/15-12-15/

大飯原発仮処分・高浜原発保全異議決定告知は12月24日14時

2015年12月15日

大飯原発3,4号機仮処分・高浜原発3,4号機保全異議につき、決定告知につき裁判所より連絡がありました。
12月24日14時、福井地方裁判所です。記者会見、報告集会等のについては現在調整中です。決まり次第、このサイトでもお知らせいたします。
13時半、福井地裁前集合。15時より、記者会見・報告集会を福井県国際交流会館の地下の多目的ホールで行います(15:59追加情報)。

うーん 裁判官の頭の中が見えているからなのか、アベのやつは焦って避難計画のOKを出して知事に同意するよう催促してやがる。
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ホットパーティクルネタが久しぶりに公開された。 [ホットパーティクルとどう付き合うか?]

次のPDFにご注目ください。日本地球化学会のサイトにあったもので、
http://geochem.jp/conf/2015/pdf/2D.pdf
同名のものが、日本放射線安全管理学会の第14回学術大会でも出てくるのですが、使いまわしかな?
http://www.2015tsukuba.jrsm.jp/program20151007.pdf
(失礼 微妙に表現が違ってましたね。メンバーは一部かぶってますが)

福島第一原発事故で放出した放射性粒子の特徴
2013 年に福島県浜通り地域に沈着した放射性セシウム含有粒子の特徴

このふたつがホットパーティクルに関連するものですね。でもチェルノブイリのホットパーティクルとは明らかに違うと書いてます。

「しかし今回観察した放射性粒子は、どれもチェルノブイリ型のホットパーティクルの特徴とは明らかに異なり、福島第一原発事故特有の粒子であると考えられる。」

「今後の廃炉作業にともない、放射性Cs を含む粒子の再飛散と輸送がおこる可能性は否定できない。放射性Cs 濃縮粒子が環境中にどの程度残存しているのか、再飛散の可能性があるのかを調査する必要がある。」

チェルノブイリと違っても安全宣言はできないはずで、再飛散を大いに気にしているということは、場所によってはやはり危険だと自覚しているからではないか。

ちと短めですんません。アベのやつをのさばらせていてはいかんのだが、支持率が回復しつつある。軽減税率で政治ゲームをやっとる場合か、このドあほ!!

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南スーダンPKO、駆け付け警護先延ばし [戦争法廃止]

朝日の一面に
http://www.asahi.com/articles/DA3S12105203.html?ref=nmail_20151207mo
南スーダンPKO「駆けつけ警護」先送り 政府、参院選後に
2015年12月7日05時00分

が出てまして、何も言わないのはいけないので、ひとこと。
一部引用

「『安全保障問題に注目が集まり、参院選に影響を及ぼす』(政府関係者)として、閣議決定を参院選後に先送りすることとした。」

おかしいだろ!これ!

どこかの弁護士会会長の意見書の真似ですが、アベ政権に対する意思表示といたします。
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エクセルでやったらどえらい簡単にできたが間違ってないか? [統計学もどき]

EZRの記事がコメントが増えたのと、今月も1つくらいは書いておかねばと思いましたので、新たに設けたカテゴリーで行ってみたいと思います。

アワプラさんが貴重なまとめをしていただいています。

甲状腺がん悪性・悪性疑い152人〜福島県民健康調査
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2004

検討委員会での記者会見にて、基本調査の①-8ページの福島県住民の外部被ばく線量分布と、甲状腺検査(本格検査)の②-6ページの甲状腺がん症例の外部被ばく線量分布が大きく異なり、甲状腺症例の外部被ばく線量が高い方に分布しているという指摘があった。このオッズ比に関して、性別を調整して表2として示した。この調整オッズ比とその95%信頼区間の推定結果は、EpiInfo 7TMのStatCalcの最尤推定値(Mid-P)を用いた。95%信頼区間の下の値が1より大きいと、いわゆる「統計的有意差がある」ということになる。
  その結果、明瞭な量反応関係が観察された。つまり、外部被ばく線量に関連する何らかの要因(恐らく内部被ばく)が甲状腺がんの発症に関与していることが、より明瞭に推察できることになった。1mSv未満もまた、被ばくしていると考えられるので、示されたオッズ比は過小評価されている。先行検査では、平成23年度、24年度、25年度の別に、甲状腺がん症例の線量分布が発表されておらず、平均有病期間が平成26年度としてほぼそろっている本格検査とは異なり、明瞭ではなかった。基本調査の住民の性・年齢・市町村別線量分布、先行検査および本格検査における甲状腺がん症例の性・年齢・市町村別線量分布の発表が待たれるところである。
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これだけでも十分なのですが、ちと統計学の相関関係が気になってあれこれ探して、Rで試すのはなんだかまだ私には無理そうだったので、エクセルのはないかと見たところ

散布図と相関係数(相関分析)
http://hitorimarketing.net/tools/correlation-analysis.html

これに倣ってやってみたところ(発症者数は100万人当たりに換算してます。)

相関係数.png

案外 楽にピアソンの積率相関係数(単相関係数)とやらが表示されました。簡単すぎたのでこれでいいのかと思ってしまいましたが、点が三つしかない散布図でも、正の相関になっていますので、多分これでいいのでしょう。Rに慣れていけば、P値なんかもわかるので、相関係数の正確さもわかってくるでしょう。

毎月3日のアベ政治を忘れておった。流行語大賞ノミネートまでいったんでした。
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