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日本地球惑星科学連合2016年大会でセシウムボールの発表が続々(1) [ホットパーティクルとどう付き合うか?]

毎日新聞も記事にしましたが

福島第1原発事故 飛散微粒子3種類
http://mainichi.jp/articles/20160524/ddm/012/040/029000c
まずはこちらから引用
東京電力福島第1原発事故で放出された放射性セシウムを含む微粒子が3種類あることを、阿部善也・東京理科大講師(分析化学)らの研究グループが突き止め、23日に千葉市であった日本地球惑星科学連合大会で発表した。形状や化学組成が異なっており、事故のメカニズムを知る手がかりになる可能性がある。
 微粒子は、(1)直径数マイクロメートルの球形(2)直径数百マイクロメートルで不定形(3)直径数マイクロメートルの不定形で不均質−−の3種類。気象研究所(茨城つくば市)などの大気粉じんフィルターや福島県内で採取したそれぞれ7〜15個の微粒子を分析し、分類した。(1)は2号機が放射性物質を大量放出した2011年3月15日朝に飛散。(2)は福島県の土壌で見つかり、飛散時期は不明。1号機由来とみられる。(3)は塩素が多く含まれ、炉に注入した海水に由来する可能性があるという。
 福島第1原発では溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)がどこにあるかもわかっていない。阿部講師は「微粒子の状態から事故の経過を分析し、詳しく分からない炉内の状況の推測につなげたい」と話している。【酒造唯】

各発表の要旨集がありました。セシウムボールや再飛散に関連のある発表を紹介します。
http://www2.jpgu.org/meeting/2016/PDF2016/M-AG24_all.pdf

 まずは、セシウムボールを直接扱っている発表からいきまして、次回、再飛散の問題を取り上げた発表を紹介させていただきます。

福島第一原発事故により放出された粒子状放射性物質の物理・化学的性状の解明
本研究により,異なる物理・化学的性状を有する3種類の放射性粒子(Group A,B,C)の存在が明らかとなった。

 Group Aは直径1~5 µmと小さく,基本的に全て球形である。足立ら1)により,事故直後の2011年3月14~15日に気象研究所で捕集された大気粉塵から発見され,1粒子で約1 Bqの放射能を有し,質量濃度にして%オーダーの高濃度のCsを含むことから,通称「Csボール」と呼ばれる。またCsの他にもRb,Sn,Baなど核燃料の核分裂生成物(FP)由来と考えられる元素を含み,一部の粒子では核燃料由来の可能性があるUも検出されている2)。FP以外にもSi,Fe,Znなど炉の構成材料由来と考えられる元素も含まれている。Siを母体とするガラスだと考えられ,非水溶性である2-4)。長期的な環境影響が懸念され,実際に福島県内の屋外プール堆積物中にもこの種類の粒子が残留していることが明らかになっている。134Cs/137Csは約1であり,2号機または3号機から放出された可能性が高い。ただしCuやNi,Agなど,一部の粒子からしか検出されていない元素も見られ,単一的な生成・放出過程であったとは考えづらい。

 Group Bは,福島第一原発北西地域(福島県浪江町)の土壌から分離された放射性粒子である。同地域には,佐藤ら3)により1号機由来の放射性物質が飛来した可能性が指摘されている。球形でµmオーダーのGroup Aとは異なり,Group Bは大型の不定形粒子で100 µmを超えるものもある。粒子自体はGroup Aと同じくSiを母体とするガラスであると考えられるが,CsよりもBaを多く含む傾向にある,Group Aでは検出されていないSrを含む,Sbに富むといった点で,Group Aとは組成的特徴に差が見られる。また粒子内に数µmオーダーでFeやMo,Sn,Uなどの一部の金属元素の濃集が見られ,SR-µ-XANES/XRDにより,こうした濃集点においてガラスではない相の存在が示されている。

 Group Cは,2011年3月30日に産業技術総合研究所で捕集された大気粉塵より分離された放射性粒子である。粒径はGroup Aと同程度の数µmであるが,球形ではなく凹凸があり,角張った形状のものが多い。上記の2グループの粒子とは異なり,Group Cの粒子の主成分はSiではなく,重元素組成にもGroup AおよびBとは明確な違いが見られた。これら3グループの粒子の物理的・化学的性状の違いは,その生成・放出過程の違いに起因するものであると考えられ,事故後に複数のプロセスによって粒子状の放射性物質が環境中に放出されたことが化学的に実証された。
 新聞記事で取り上げられた研究発表で、メンバーも一昨年暮れのEテレサイエンス・ゼロに出てこられた皆さんが中心になっています。
 今回貴重なのは、セシウムボールに三つのタイプがあるということ。私は、形が球状でないCタイプは、完全に取り出せていないのではないかと思っていましたが、”く凹凸があり,角張った形状”のままであるということです。となると、あのイギリスのブリストル大学の論文のものもこのCタイプのものだったのか、とも思ってしまいました。
 重要なのは、Bタイプでストロンチウムが検出されたことと、このタイプにはウランも含まれサイズが大きいことがあげられます。幸い肺胞に入っていくには無理があるのかもしれませんが、やはり要注意のものですね。

強酸抽出後の残渣土壌に含まれる放射性粒子

 2011年3月11日に発生した東日本大震災に起因する、福島第一原発事故では環境中に大量の放射性物質が放出した。地表面に沈着した放射性物質のうち、半減期が約30年であるセシウム137の除去技術の確立は、除染に伴い発生する土壌の減容化のためにも不可欠である。本研究では2012年10月に福島県本宮市で採取した土壌に対し、強酸リーチングを含む連続化学抽出を行い、残渣中に含まれる放射性物質の存在形態を把握することで、土壌中に存在する放射性セシウムに対する基礎情報を取得した。
 未処理の土壌に含まれる137Csは2011年3月11日時点で8 kBq/kgだった。水溶性成分、陽イオン交換成分、有機物付着成分、強酸抽出成分を順番に抽出し、最終的に約50%の放射性セシウムが残留した。存在形態を把握するため残渣土壌のオートラジオグラフィーを取得したところ、無数のスポット状汚染が見られた。このスポット汚染を直接取り出し、透過型電子顕微鏡で観察すると球状の塊で、さらにエネルギー分散型X線分析により、鉄、亜鉛、ケイ素、酸素さらにセシウムが元素として検出された。これらの特徴は茨城県つくば市で事故直後に観測されたセシウム含有粒子(Adachi et al., 2013)に類似しており、つくば市で見つかったCs含有粒子が広範囲に分析していると考えられる。また粒子全体に占めるケイ素と酸素の割合が大きく、この特徴はSatou et al.,(2015)およびYamaguchi et al.,(2016)とも類似している。ケイ酸塩は一般的に耐酸性を示すため、同様の現象が放射性粒子にも見られたものと考えられる。
 こちらは土壌の中にセシウムボールが含まれていて、それがかなり広範囲に分散されていることですね。"スポット状汚染"という表現から、ホットスポットの中心には、セシウムボールの集団、塊があると見ていいのではないか?というところですね。

今回の二つの発表のいずれにも

放射化学33号掲載の放射性粒子の生成プロセス
http://ryukei-rondan.blog.so-net.ne.jp/2016-04-27

の論文を発表された佐藤志彦氏が共同研究者として参加されています。
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短半減期による内部被ばく線量 [原発問題・甲状腺がん]

サプレッションチャンバー(S/C)は、セシウムボールの元をカットできたか?(1) 
http://ryukei-rondan.blog.so-net.ne.jp/2016-05-15

のコメントで取り上げました短半減期核種による被曝問題を記事として取り上げたいと思います。

NPO法人情報公開クリアリングハウス
「事故初期のヨウ素等短半減期による内部被ばく線量評価調査」成果報告書等
http://clearinghouse.main.jp/wp/?p=774

「この調査は、「福島県民の外部被ばく線量及びセシウムからの内部被ばく線量の推計が進められ、現時点で過度な被ばくを受けた人の可能性が低いことが示唆された。残る課題は、放射性ヨウ素に代表される短半減期核種による事故初期における内部被ばく線量(特に、甲状腺等価線量)の推計である」ので、事故初期の実測データを可能な限り探索、集約して事故初期の内部被ばく線量の再構築をするということが主目的のよう。再構築には、①個人計測値に基づく方法、②大気拡散シュミレーションに基づく方法を用いたが、①で甲状腺計測データが極めて限られているため、ホールボディカウンターの測定から得られた実行線量の結果を活用することにしたとのこと。WBCはセシウムの線量を計測しているが、ヨウ素による内部被ばく線量を間接的に推計できるとしている。」

こういう目的なら無条件に公開してよさそうですが、情報公開クリアリングハウスの公開請求で開示されたとのことです。

「事故初期のヨウ素等短半減期核種による内部被ばく線量評価調査」報告書
http://clearinghouse.main.jp/web/env_0016.pdf
96ページもありましたね。

他にも

付録 スライド集(第2回NIRS国際シンポジウム、KEK環境放射能研究会)
       専門委員会/検討委員会の会合記録
       環境モニタリングデータ集

第1回専門委員会資料(2012年5月29日)
第2回専門委員会資料(2012年10月16日)
第3回専門委員会資料(2013年1月8日)

があってとっても膨大です。コピペも検索もだめですので、手抜きですが、要約とまとめを画像でご覧いただきたいと思います。

要約
短半減期による内部被ばく線量評価調査要約.png

1歳時年齢層の30mSvという部分は、study2007さんの「見捨てられた初期被曝」にも出てきますので、追ってコメントなどで紹介していきたいと思います。

まとめ
短半減期による内部被ばく線量評価調査まとめ.png

要約と似た部分はありますが、最近の議論である”過剰診断”や"早期診断"に逃げる学者たちとは違ったある種の本気度は見られますので、とっても長いのですが、合間合間に見て行きたいと考えます。

 その他気になったところを二か所。ホットパーティクルやセシウムボールへのこだわりから、”粒子”という文字に反応しました。ヨウ素も粒子状の状態で拡散されていたということですが、セシウムボールに合体されていたか、水溶性のエアロゾルの状態であったかは読みとれておりません。

24ページめ(16ページ)
短半減期による内部被ばく線量評価調査表.png

31ページめ(23ページ)
短半減期による内部被ばく線量評価調査表2.png

 こういう表を見てぱっとわかればいいのですが、エクセルに入力して数字の小ささを確認しないといけないので、まだまだ読解に苦労しますね。ちなみに2.60E-06は、0.000002ですね。テルルはセシウムボールにも含まれていますね。これが132であったかどうかは、探してみると自分で書いたコメントにあったりしますが

http://ryukei-rondan.blog.so-net.ne.jp/_pages/user/iphone/list_comments/index?name=2015-06-22
今 ツイッターで話題の
http://togetter.com/li/844021

『2011年3月に福島市で採取された大気中の粉じんから放射性テルル132が検出されていた件』関連ツイートまとめ(2015.7.7作成)
テルル自体が、セシウムボールにも含まれるので、これもホットパーティクルの仕業と見るべきか。
4年もたって訂正するかね?

ちと時間なく確認できておりません。
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小泉元総理涙の訴え ロナルド・レーガン訴訟を支援 [原発問題]

昨日 コメントで取り上げたニュースですが、朝日がデジタル版で大きく取り上げています。

小泉氏が涙 トモダチ作戦の健康被害「見過ごせない」
http://www.asahi.com/articles/ASJ5K354LJ5KPTIL00B.html?ref=nmail
カールスバッド〈米カリフォルニア州〉=田井中雅人、平山亜理
2016年5月18日19時57分

「東日本大震災の「トモダチ作戦」に従事し、福島第一原発沖で被曝(ひばく)したとして、東京電力側を相手に集団訴訟を起こした米海軍の元兵士らが400人に達した。「原発ゼロ」を唱える小泉純一郎元首相(74)が訪米して健康被害の訴えに耳を傾け、「見過ごせない」と涙を流した。」

写真をこちらからお借りします。
http://www.asahi.com/articles/photo/AS20160518004104.html
koizumi.png

さらに詳細記事があります。

「病に苦しむ人たちに支援を」 小泉氏、会見の主な発言
http://www.asahi.com/articles/ASJ5L5FQFJ5LPTIL02F.html

一部を抜粋しますと

「そして10人の兵士からじかに話をきいて、ひどい状況だな、と。今なお、放射能の影響と思われる病気になった人が増え、病気になった人の症状が重くなっているということを知りました。4月に日本で知人からこの話を聞いた時には、(訴訟の原告が)200人を超えているということだったが、5月に入ると300人を超えていると。今ここに着いたら、400人という話を聞きました。」

被曝から5年経過でどんどん健康被害が顕著になっている。原告は増えるばかりでしょう。

 「私も、原発は安全でコストが安くてクリーンだという専門家の意見を聞いていたが、これは全部うそだということが分かった。お医者さんは専門家ですよ。素人の私でも、病に苦しんでいる10人の話をきいて、病気になっている原因は放射能だという感じがする。あの事故後、東京電力も隠している情報がいくつかあったということが今、分かっている。重い病を抱えている10人からじかに当時の状況を聞いて、米海軍も何か隠していることがあるんじゃないかと感じた。私の訪問と、病に苦しんでいる兵士からじかに聞いた行動が、より多くの日本人や米国民に伝わり、報道されて、ことの重大さに気づいていただく一助になればと思って、今回私は訪問した。どうも日本のメディアでも、放射能に関して隠していることがあるんじゃないか。伝えたくない状況にあるんじゃないか。そう感じています。」

まさにそのとおりです。典型的な初期被ばく、しかも3号爆発雲がダイレクトに襲っています。

登録が必要な記事の部分ですが

「航海日誌や元乗組員らの証言によると、作戦中に原発事故で発生した放射性プルーム(雲)の下で強い放射線を浴び、汚染された海水(脱塩水)を飲食やシャワーに使って内部被曝した可能性がある。しかし、米国防総省は14年に公表した報告書で、被曝は「極めて低線量」として健康被害との因果関係を否定した。」

外部被曝、内部被曝の両面からの明白な健康被害であり、6名の尊い命が失われています。これを無視する日本政府は日米安保を語る資格がありません。

過去の関連記事です。

トモダチ作戦、称賛の陰で 元空母乗組員ら健康被害訴え
http://www.asahi.com/articles/ASH9W4TZ7H9WPTIL008.html
核と人類取材センター・田井中雅人 2015年10月1日13時08分

人情のある小泉さんと違って、アベは、冷酷かつ鈍感 ロナルド・レーガンの甲板に乗って喜んでんじゃねえ!!
sho_fj.jpg
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サプレッションチャンバー(S/C)は、セシウムボールの元をカットできたか?(2) [ホットパーティクルとどう付き合うか?]

200記事を達成して安心してしまってさぼってもいかんので、早目に続きを書いておきます。

前回
>1号ベントにここを考えるヒントがあります。
と、書きましたので、さっそく1号ベントを見てみたいと思います。

足田考人氏の1号ベントの続報です。

詳細記載 (5):1号機のベント(その2、ベントラインの超高線量汚染)
http://ashidakouto.blog.fc2.com/blog-entry-6.html

(排気筒の根元付近の超高線量)
2011年7月31日、1・2号機排気筒の根元付近でガンマ・カメラにより2つの強力な線源が発見された。翌8月1日の測定により排気筒に接続する非常用ガス処理系配管で最も線量が高かったが、測定器の限界である10000mSv/h(10Sv/h)を振り切ってしまい、どこまで高い線量なのか分からない状態であった。
 ガンマ・カメラの画像は非常用ガス処理系配管とは排気筒の反対側(南西側)から撮影されているが、間にある鉄管や鉄柱を透過して明瞭な異常が感知されている。
 とんでもなく危険な致死レベルの超高線量だったことを思い出しました。配管の中にベントで放出された時のセシウムが溜まりにたまっていた。

だが、よく考えると、汚染されたベントラインに付着しているのはセシウムであり、排気筒の外に出たものは少なかったと思われる。つまり、圧力抑制プールから放出された排気にはセシウムも大量に含まれていたが、大部分は途中のベントラインの内壁に付着して、排気筒から外気に放出されたものは少なくなったと思われる。
 上記のようにベントライン全体が異常に汚染されている。管の外側は放熱するから、管の中を通る水蒸気は冷やされて内壁に水が付着し、そこに放射能が吸着されたと思われる。水酸化セシウムは水に対する親和力が強いので、セシウムが選択的に管壁に付着したのではないかと考えられる。
 ベントでもサプチャンでカットされずに、セシウムが排気口付近まで出て行ったことはこのことからわかったわけですが、なぜ、そのような事態になったかは、足田氏のブログの最初の記事に書いていただいています。
概要
http://ashidakouto.blog.fc2.com/blog-entry-1.html
(1号機ベント)
12日14時ごろから1号機のベントが始まった。NHKのヘリからの撮影で、排気筒から白い蒸気が北西方向に横に勢いよく流れる様子が捉えられている。その風下5.6kmに位置する上羽鳥のモニタリング・ポストでは、14時40分に4613μSv/hの空間線量率が記録された。これは事故全体を通して原発敷地外で測定された最大の値である。このベントにより大量の放射能が放出された。
 1号機のベント配管やそれに接続する系統は最も著しく汚染されているが、それはこの時のベントに因るものである。圧力抑制プールに水があればガス状の放射能以外はプール内に残るので、そのような酷い汚染が配管に生じるはずがない。ベント時には、プール内の水が無いか非常に少ない状態だったと思われる。崩壊熱に再臨界で発生した熱が加わることでプールの水が蒸発したと考えられる。
 プールに水がなくなってしまえば、ドライベントとさして変わりはない。それが、3号でも5回目のベントでは、その状態に近いことが起きていたのではないか?
 もう一度原子力学会の次の資料
「3 号機のベントに関する検討」
http://www.aesj.or.jp/~snw/media_open/document/nhk_saisaikougi150521/tennpu1_3goukibento.pdf
4ページ
ヨウ化セシウム.png
5ページ
注目すべきはプール水が沸騰している方が沸点以下の場合よりも DF が高い値を示していることである。また、DF は蒸気が放出される水深が大きいほど高い値を示しており、水深 3m 程度でも DF は約 100 である(放射性物質の 1%が外部環境へ放出され、99%がプール水中に残留する)ことが分かる。
 3 号機における 1 回目から 5 回目のベントは格納容器内の圧力が大気圧より高い状態でベントが行われており、プール水はベント弁が開くと沸騰する。
 DFが100ということは、1/100が外部に放出されたことを意味しますので、1%が外部に出たにすぎないといっても、今回は放出量が天文学的数字ですから、この場合の1000分の1と100分の1では雲泥の差です。

東京電力も原子力学会もベントの性能のよさを誇るつもりだったのですが、次のブログ記事に、昨年秋ニュースになった新たな事実が書かれています。

3号機も高濃度汚染源…ベント後、北西に大量放出:フィルターが付いていれば・・
http://ameblo.jp/syuukitano/entry-12086368975.html

 全体の1%未満に対し再検討と、読売にしては珍しくつっこんだ書き方をしていますが、ウェットベントでも99%カットできるとは限らないことを認めています。同じニュースですが河北新聞の記事です。

3号機ベント後大量放出?
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201510/20151020_63063.html

「研究グループの推定では、3月20日に3号機から放出された放射性物質が岩手、宮城県境付近を、3月20日夜から21日朝に2号機から出た放射性物質が茨城県南部を汚染した可能性があるという。」

 この時の岩手、宮城県境付近というのは、今からでも遅くはありません。きちんと検証すべきです。私も反対しましたが、まさに海側の地域のがれきの広域処理で、放射性物質を懸念するのは考えすぎだ、絆を無視する非国民とまでいう者もいましたが、両県に対して、このことが正しく伝えられているのか?この新聞記事は、もともと9月に開催された秋の原子力学会での発表によるものです。ということは実際にはもっと早い時期にデータは出ていたでしょうから、こっそり発表するのではなく重要なことは、いち早くプレスにするべきです。

2号ベントに関しましては、一度次の記事で検討しましたので、今回はカットして
3.15 2号爆発を考える-結局のところシールが溶けたのか
http://ryukei-rondan.blog.so-net.ne.jp/2016-03-18

また足田氏に助け船を出して終わりにしたいと思います。
(2号機のベントはなぜ失敗したか)
弁の開操作に伴う圧力低下が認められないので、2号機のベントは失敗であったとされる。格納容器の圧力はラプチャーディスクの作動圧を上回っていたのに、なぜかディスクが破れなかった。注水量が多すぎて圧力抑制プールが水没し、ベント管の中にまで水が入ったため、水柱の高さ分の圧力が格納容器側より低くなり、ラプチャーディスク作動圧まで上がらなかったと想像される。
 ただ2号由来セシウムボールは検出されていますので、失敗したドライベントとはいえ、何がしかの形で、大気中に放出されたのは間違いありませんので、警戒を緩めるわけにはいきません。

 さて、いくらか見えてきたセシウムボールですが、私のブログの初期のころは、次の私設原子力情報室さんのブログをよく読んでおりました。

放射性物質はいかに飛散し人体に入り込むのか(2)
http://nucleus.asablo.jp/blog/2014/08/10/7410771
この<セラミクス→メルトダウン→セラミクス>という事態が、原子炉内で起きたのです。そこにあったのはウランやプルトニウム、放射性セシウムや放射性ストロンチウムでした。そして、すべてが大きな塊にまとまったのではなく、一部は、微粒子=ホット・パーティクルとして舞い上がり、はるかかなたにまで、放射性物質を届ける役割を果たしました。
 福島の事故のホットパーティクルもチェルノブイリと似たようなものだろうと、しかし、一昨年暮れのEテレのサイエンス・ゼロ以来、やはりやや違うものだと言うことははっきりしてきました。

 ツイッターで次の情報を得たのですが、論文の記事が見当たりません。

参考:MONDALより、一般公衆がCs137粒子(AMAD=1.0 μm)を急性吸入摂取してしまった場合におけるCs137体内残留率の経時変化。
Fタイプ→http://www.nirs.go.jp/db/anzendb/RPD/JPDF/y/jyCs137FWB.pdf
 こちらは水溶性のセシウムと思われます。1.E-08は、0.00000001ですのでほとんど0ですね。
Sタイプ→http://www.nirs.go.jp/db/anzendb/RPD/JPDF/y/jyCs137SWB.pdf
 こちらは非水溶性のものでしょう。ただ、一定期間すぎても0には近づかない。
どこのサイトかと思ったら「国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所」でした。
あれこれURLをいじってましたら
http://www.nirs.go.jp/db/anzendb/RPD/yinhalj.php?nuc=Cs137&type=&media=&gr=
これでした。ICRPベースの考え方による推定値によるだけで、セシウムボールというわけではありませんでした。まあ勘違いだけど、いずれ、ICRPにこれがセシウムボールの場合は、そうそう体外に排出されないということは認めさせないといけません。

 プルトニウムはもちろんのこと、ストロンチウムもセシウムボールからは検出されたことがありません。この先はどうなるかはわかりませんが、生成の過程での、温度や圧力の関係で、チェルノブイリとはまったく別もののホットパーティクルが出来てしまったと思うしかありません。隠ぺいだ、陰謀だと言ったところで、何も変わりません。
 ただ、2011年の3月15日午後3時から翌日午前9時までの18時間、東大本郷キャンパスでずっと野外にいたら、とんでもない量の放射性物質がマスクに着いていたという事実は変わりません。
http://mononomikata-kerogg.blogspot.jp/2011/12/blog-post.html
 恐ろしいのは、もしマスクをしていなかったら「内部被曝は9.3マイクロシーベルトに相当」したということです。そしてそのマスクこそが、何度かこのブログで使ってきました次の画像です。
B3yK3MKCAAAfm3x.png
IPを通すと、まさにセシウムボールを検出してきたフィルターと同じように多数の黒点が現れます。今も東大で保管されているはずです。すぐにセシウムボールを取り出してSPring8で分析をしてもらいたい。9.3マイクロシーベルトの物質は何だったのか?明らかにする責任が、東大アイソトープ総合センターにはあります。宜しくお願いします。まあ見てはないでしょうが。
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サプレッションチャンバー(S/C)は、セシウムボールの元をカットできたか?(1) [ホットパーティクルとどう付き合うか?]

 この記事がちょうど200記事目になりますが、どのテーマでいくか迷いましたが、やはりホットパーティクル、セシウムボールでいくとしましょうか。

放射化学33号掲載の放射性粒子の生成プロセス 
http://ryukei-rondan.blog.so-net.ne.jp/2016-04-27
で引用させていただいた佐藤志彦氏の論文の次の部分をここのところ考えておりました。
3 号機由来の放射性粒子は未だ北西地域からは発見されていない。その原因について 3 号機の汚染はサプレッションチャンバー(S/C)を経由したウェットベントであり、この場合、汚染蒸気はケイ酸建材の存在するドライウェル(D/W)を通過しない。そのためプリュームに粒子が混入する機会がなかったと推定される。そしてこの観測結果は粒子生成過程の仮説とも一致する。
 3号に関しては5回もベントがあったと最近知ったようなことなのですが、そのすべてはウェットベントですので、3号機からセシウムボールが放出されたことがあるとすれば、水素爆発説によると、原子炉の中の物は爆発では、ほとんど出てないということ矛盾することになりはしないか?
 プール即発臨界爆発の場合は、さすがに短時間でプールのコンクリートと反応してケイ素が気化して、ウランなどと合体するかとなるとこれも無理があるか?ジルコニウム始め燃料や燃料集合体のラックの金属の比率がウランと共に高く、ケイ素がかなり低いとなれば、プール即発臨界により形成されたものといえなくもないです。
 まず、5回のベントについては次の所に情報があります。
「3 号機のベントに関する検討」
http://www.aesj.or.jp/~snw/media_open/document/nhk_saisaikougi150521/tennpu1_3goukibento.pdf
後でまた触れるとして、セシウムボールに関する最初の論文を見てみましょう。

福島核事故の初期段階における球状セシウム含有粒子の放出
http://besobernow-yuima.blogspot.jp/2014/05/nature.html
 この論文の段階では、Spring8での検証をしておりませんので、ウランは検出されていません。
図をお借りしますと、
セシウムボール成分.png
やはりシリカ、ケイ素が多いですね。格納容器の中のコンクリートなどのケイ素が放出されたことを示していると言わざるを得ないでしょう。
 論文では次のように説明されています。
e) 地域における別の元素の元素分布。O、Si(シリコン)、Cl、Mn、Fe、Znは粒子内にCsと併存している可能性がある。われわれはCs粒子1の水溶性を、粒子の浸水前後の形状を比較することによって分析した(図S7)。その結果、少なくとも大気移動期間中の粒子は不溶物であることが示された。
 この後、理科大やいくつかの論文発表があり、セシウムボールの生成原因の解明が行われていくのですが、時系列的に見た場合、3月14日21:10から3月15日09:10までつくばで捉えられたものの中にセシウムボールが検出されたことから、3号機の爆発前後が考えられますが、ベントが原因だとすれば、次のとおりからみて
3号ベント.png
4回目ぐらいしか考えられないですね。水素爆発の前に、すでにウェットベントでわずかながらセシウムボールが形成され、それが敷地内を漂っていて、爆発で拡散されたか?あるいは、最近といっても昨年末ですが、格納容器の継ぎ目に使われるシール材が、高熱で溶けていたと推定されたことから、格納容器から漏れた水蒸気からセシウムボールを形成し、これが爆発と共に拡散して、海側に行った風が、関東方向に向きを変えていった時の気流に乗ってつくばまで運ばれたかです。

 前の方の記事で使った画像ですが
稲やダストフィルタへの付着物.png
25年産米の南相馬市での基準値超過がニュースになった時に、3号機のがれき撤去が原因でないかと疑われ、いくつかの地点の微粒子の分析をした時のものです。
 稲の葉に付着していた粒子からはウランも検出され、すわ3号の時のものかと思ったのですが、やはりケイ素が突出しています。むしろ小高局のダストから見つかったものの方がケイ素が少なく、鉄やアルミニウムが多いのですが、これからはウランが検出されていない。なかなかそう都合よく行きません。
 今回は、3号爆発を考えるのがテーマではありませんので、タイトルにあるサプレッションチャンバーで、ベント時にセシウムなどをどの程度カットできるかについて考えてみたいと思います。

次の論文集は、1990年代に書かれたもののようですが
https://www.jstage.jst.go.jp/article/htsj1962/34/133/34_133_39/_pdf
3番目(14ページから21ページまで)の

軽水炉 シビアアクシデ ン ト時の伝熱流動 杉本 純氏(日 本原子力研究所)

を読んでみました。なかなか全体的に勉強になる部分が多いのですが、今回は、19ページあたりのプールスクラビング効果のところを見てみたいと思います。
プールスクラビング効果.png
ヨウ素に関しては、ほぼ99.9%カットできているようです。ただちょっと気になったのが次の部分
FP挙動についての今後の課 題としては、特に実験データの少ない、低揮発性(Te,Ru,Stな ど)や短半減期核 種(1311な ど)の高温での燃料からの放出挙動 、配管内再蒸発や再浮遊挙動、 格納容器内再浮遊等に関する実験的知見を蓄積するとともに、これらに関する解析モデルの開発 ・検証が挙げられる19)。
 これが1990年代の論文ではあるのですが、3号機はそれ以前に建設されており、この論文執筆当時は、引用部分がクリアーできているとは到底思えません。
 大気汚染対策のための集塵装置の集塵率を見てみると
http://www.ducol.co.jp/techinfo/dust_collector_efficiency/
サプレッションチャンバーと類似の方式として、溜水式スクラバを見てみると
集粒子径は、1μm以上 集塵効率は、95%まで
ということで、もしかしたら、気化したセシウムをS/Cで完全にカットするのは困難なのではないか?と見ております。もっともここで冷却されるために、セシウムボールを形成するほどの温度を維持できないから、水溶性のセシウムのまま放出されるか、あるいはベント管にへばりついて、留まってしまうかもしれませんので、定説どおりウェットベントでは、セシウムボールが形成されないということは説として成り立つのかもしれません。

1号、2号につきましては、また続きを書きたいと思います。1号ベントにここを考えるヒントがあります。
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福島原発メルトダウン氏のセシウムボール発生の見解 [ホットパーティクルとどう付き合うか?]

いつもコメントで取り上げるだけでしたので、今回は記事として福島原発メルトダウンさんの見解を見てみたいと思います。

http://www.asahi-net.or.jp/~pu4i-aok/cooldata2/politics/politics27.htm

なかなか長文ですが次の所。

3号機:

「炉心シミュレーションに あるように崩壊熱とジルコニウム酸化熱で炉心が2000℃を越えるのはメルトダウン後6-8時間程度の期間で24時間後には水で冷却せずとも放射冷却で 1200℃以下になってしまう。したがってセシウムホットボールが生成したのはこの期間という ことになる。3号機は13日未明にECCSを手動で停止してますからここからメルトダウンが始まってとしてセシウム・ウラネートが気体・ミストとなって吹 き出し、水素で還元され金属としてガラス球に封じ込められたという推論が成立うる。こうして夕刻にはセシウムホットボールが生成していたと考えられる。し たがってNHK番組の推論のように注入海水がほとんど復水器にながれて冷却不足であったため、熔融炉心の温度が上がったという推論を無理に採用しなくとも セシウムホットボールは生成したし、森永先生の指摘のように局部的再臨界があればより多くの熱がでるのので補強される。というわけで気象研究所の分析のよ うにウランもプルトニウムもごく微量だがセシウムホットボールに含まれていたという測定結果も説明できる。これがベント管内に蓄積し15日深夜のベントで 大気放出されたというNHKの説明も成立する。したがって藤原節男氏が危惧するような核爆発が3号機であったという仮説は不用と思う。」

 森永先生の指摘と言うのがどこにあるかはわからないのですが、建屋の外にベントや爆発で放出される前の段階でセシウムボールはできていたという説になります。これがベント管の中に溜まっていって、ベントで放出された。外気との圧力差や、温度差は必要ないと言うことです。

前の記事の、佐藤志彦氏の見解とは異なります。

で、福島原発メルトダウンを書かれた方は

グリーンウッド氏の経歴
http://www.asahi-net.or.jp/~pu4i-aok/core/editorialdata/profile1j.htm
でこういう本を出されてますね。
原発敗戦―事故原因の分析と次世代エネルギーの展望
http://www.amazon.co.jp/%E5%8E%9F%E7%99%BA%E6%95%97%E6%88%A6-%E9%9D%92%E6%9C%A8-%E4%B8%80%E4%B8%89/dp/4777517322/ref=sr_1_cc_1?s=aps&ie=UTF8&qid=1355193592&sr=1-1-catcorr
名前がわかってしまいますが、他にも著書論文があります。

論文と随想集
http://www.asahi-net.or.jp/~pu4i-aok/core/editorialdata/profile2j.htm

 エンジニアとしてのキャリアはかなりある方です。佐藤志彦氏はじめ筑波大学、気象研、東京理科大学などで、研究された成果は、現物のセシウムボールを取り出して分析されていますので、私は、建屋の外に放出された後に冷却されてセシウムボールができたという説を支持するのですが、そうすると3号プール爆発説との絡みもあって整合性が取れるやら自信がなくなってきますので、最近は、都合よく、プール内即発臨界では、ウェットベントと類似なので、セシウムボールは形成されにくい説などと勝手なことを言いだしております。

 私の戯言はともかくとして、ここは3号爆発説から離れて、純粋にセシウムボールの生成メカニズムについて検討してみたいと思います。
 福島原発メルトダウンさん、グリーンウッド氏と言った方がいいのでしょうが、3号ベントは15日深夜と言われていますが、実は5回あって次のPDFは原子力学会がNHKにいちゃもんをつけた時の添付資料ですね。

「3 号機のベントに関する検討」
http://www.aesj.or.jp/~snw/media_open/document/nhk_saisaikougi150521/tennpu1_3goukibento.pdf

15日深夜にあったとすれば、5回目のベントになるでしょう。

7ページ

「5 回目のベントは図 1 で示すように格納容器の圧力低下速度がゆるやかで、0.15MPa に達したのは 17 日の夜である。しかし、ベント弁を開いた時点での圧力の低下速度は早い。例えば 0.43MPa から 0.40MPa に低下する間に約 25トンの、0.3MPa に低下する間には約 100 トンの高温・高圧の蒸気が地下埋設配管を通って放出される。5 回目のベントで格納容器から放出された水量は約250 トンであり、その 94%は C 部のプール水から蒸発した蒸気である。

 圧力が下がるまでえらい時間がかかっているのですが、つくばで捕獲されたセシウムボールは、14、15日中に気象研究所のフィルターに収まったものを分析し、ウランなどが見つかっていますが、正確には3月14日21:10〔日本時間〕から3月15日09:10までのものです。
http://besobernow-yuima.blogspot.jp/2014/05/nature.html

 5回目のベントのものは、この時期につくばで捕獲されるというのは不自然ですね。4回目は水素爆発のちょっと前の14日朝6時頃です。水素爆発説であれば、4回目のベントで出たものが、まだ原発敷地付近を漂っていて、これが11時の爆発によって一気に拡散し、風に乗って15日に関東付近まで飛んできたと見るべきか。
ただ4回目はあきらかなウェットベント-「4 回目のベントでは 0.36MPa でベント弁が閉じられたため、残留水量が最も多いが、それでも 1 トン未満である」とあります。-のようですから、セシウムボールは形成されにくい。
 となると、ウランが検出されたふたつの球体、あ、これは、東京理大の論文にしか出てこないのか。原文は英文でさらに有料です。
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ac501998d
そこでかって、kenkenさんが公開していた論文の文書部分を
http://johnadreams58.rssing.com/chan-33284981/latest.php#item3
で読むことはできるのですが、残念ながら画像が表示されません。

ウランに関しては

「このウラン・セシウムを含む計14種類の重金属元素の検出について、Abeらはその出所を検討している(Fig.3)。これによれば、ウランは燃料に由来し、9つの元素(Rb, Zr, Mo, Ag, Sn, Sb, Te, Cs, Ba)はその核分裂反応の生成物と考えられる。またリアクターの構造にも起因する。原子炉容器にはFe・Mn・Crを含むステンレス鋼が用いられ、燃料被覆管にはZn-Sn合金が使用されている。Znは一次冷却水にも含まれている。前記事 の微粒子のSEM-EDS解析ではケイ素(Si)が検出されているが、これは燃料棒が溶融してコンクリート基盤と反応した結果ではないかとAbeらは書いている(コンクリには二酸化ケイ素が含まれるらしい)。」

 3号プール爆発であれば、ケイ素は少ないはずで、使用済燃料からだと、ジルコニウムの比率が高いはず。
謎は謎のままがいいのか?時間から逆算すれば、3号爆発時の放出が一番合理的ではありますが。もっともわずか二つばかりのセシウムボールからウランが検出されたからといって、それがすべてを物語るわけではありませんが、もっと多くの地点にあるセシウムボールの分析をお願いしたいところです。
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戦争法違憲訴訟続々と [戦争法廃止]

毎月三日のアベ政治を許さない行動。まさに憲法記念日の今日、何もしないわけにはいかない。

金原先生のブログからですが

安保法制違憲訴訟(4/26東京地裁に提訴)の訴状を読んでみませんか?
http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/47437154.html

 複数のパターンで訴訟が行われております。憲法学者、弁護士の先生方が総力を挙げて取り組んで下さってます。4月26日に東京地裁に提起された訴訟は2種類で、請求の趣旨だけ紹介すると

【自衛隊出動差止め等請求事件】

請求の趣旨
1 内閣総理大臣は,自衛隊法76条1項2号に基づき自衛隊の全部又は一部を出動させてはならない。
2 防衛大臣は,重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律の実施に関し,
(1) 同法6条1項に基づき,自ら又は他に委任して,同法3条1項2号に規定する後方支援活動として,自衛隊に属する物品の提供を実施してはならない。
(2) 同法6条2項に基づき,防衛省の機関又は自衛隊の部隊等(自衛隊法8条に規定する部隊等をいう。以下同じ。)に命じて,同法3条1項2号に規定する後方支援活動として,自衛隊による役務の提供を実施させてはならない。
3 防衛大臣は,国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律の実施に関し,
(1) 同法7条1項に基づき,自ら又は他に委任して,同法3条1項2号に規定する協力支援活動として,自衛隊に属する物品の提供を実施してはならない。
(2) 同法7条2項に基づき,自衛隊の部隊等に命じて,同法3条1項2号に規定する協力支援活動として,自衛隊による役務の提供を実施させてはならない。
4 被告は,原告らそれぞれに対し,各金10万円及びこれに対する平成27年9月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
5 訴訟費用は,被告の負担とする。
との判決並びに第4項につき仮執行の宣言を求める。

【国家賠償法1条1項に基づく国家賠償請求事件】

請求の趣旨
1 被告は、原告らそれぞれに対し、各金10万円及びこれに対する平成27年9月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
との判決並びに第1項につき仮執行の宣言を求める。

となっております。金原先生は、この二つの訴状をじっくり読むことを勧めておられますが、その前に、原告たちの思いをかみしめるため、【原告たちの思い】の部分を熟読することを力説されています。
 最後の部分を紹介しますと
5 安倍内閣総理大臣は、新安保法制法案が違憲ではないかとの追求に対して、「安保法案が違憲かどうかは、最高裁が判断する」との趣旨を述べて、新安保法制法案が違憲であるとの多数の国民・市民の意見や憲法学者の見解を一顧だにしませんでした。裁判所には違憲立法審査権があり、裁判官には憲法を尊重し、擁護する義務があります。今回の新安保法制法に基づく自衛隊の出動等により具体的被害が出てからでは遅いのです。そして、外国の軍隊と共同作戦をとるなどの集団的自衛権行使の既成事実ができてしまえば、裁判所において違憲と判断をした場合の政治的影響が極めて大きくなり、その判断も難しくなります。裁判所におかれては、違憲であることが明白な新安保法制法を黙認することなく、既成事実の作り上げに手を貸すことをせず、憲法と平和を守りたいとの国民・市民の願いに応えるともに、内閣総理大臣の求める裁判所としての判断を行い、新安保法制法が違憲であることの判断をされることを強く願っております。
 政府のおごりですねえ。原発訴訟と同じで、最高裁は政府の言うことを聞くと考えているのでしょう。とんでもない話ですが、今度ばかりはそうはいかない。仮に選挙で、衆参で3分の2を取っても、国民投票がある。9条が今のまま変わらない限り、最高裁は戦争法が違憲かどうかの判断は下さなければならない。当たり前の思考回路ならば、違憲は変わらない。最高裁で結論が出るまで、既成事実を積み上げればいいと考えているのでしょうが、国民がそれを許さない。
 国民の代表として原告になっていただいた皆さんに感謝し、応援していかねばならないと考えております。

これらの訴訟が、参議院選挙でアベの命取りになってくるでありましょう。しかと受け止めよ!!
sho_fj.jpg
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放射化学33号掲載の放射性粒子の生成プロセス [ホットパーティクルとどう付き合うか?]

放射化学33号38ページにセシウムボールに関する発表論文があります。
http://www.radiochem.org/rad-nw/rad_nw33.pdf

福島第一原発事故で放出した放射性粒子の生成プロセス」 佐藤志彦氏

 微粒子を形成するケイ酸化合物が格納容器内の保温材由来であることを着き止めていただきました。1、2号機に関しては、セシウムボールの8割近くを占めるケイ素と酸素の発生元として、ケイ酸カルシウム保温材、そしてロックウールに格納容器内に充満したセシウムが気化した状態で合体し、ベントなどによって放出され、この時の圧力の減少によって粒子化したと推定されています。

 セシウム以外の核種がほとんど検出されていませんので、温度的には1000度前後で液化または気化したものが合体して形成されたと考えられ、沸点が1,382°Cのストロンチウムが同一の粒子から検出されないというのも納得できました。それと、ロックウール保温材自体が元々セシウムを吸着しやすい材質であったことも影響しているとのことで、この点もなるほどだと思いました。

 3号に関してですが、ここは引用させていただくと
3 号機由来の放射性粒子は未だ北西地域からは発見されていない。その原因について 3 号機の汚染はサプレッションチャンバー(S/C)を経由したウェットベントであり、この場合、汚染蒸気はケイ酸建材の存在するドライウェル(D/W)を通過しない。そのためプリュームに粒子が混入する機会がなかったと推定される。そしてこの観測結果は粒子生成過程の仮説とも一致する。
 サイエンス・ゼロで放送されたつくばのセシウムボールを考えると、あれは3号由来のものと推測されるのですが、中にはウランが検出されたり、圧力容器内の金属成分も検出されたものがあるといいます。1,2号とは違ったメカニズムが働いたとも見て取れるのですが、今後の追跡研究をお願いしたいところです。

 佐藤志彦氏は最近次の発表をされており、セシウムボールの若手研究者として大変活躍されています。

日本原子力学会2016年春の年会
開催年月 : 2016/03

http://jolissrch-inter.tokai-sc.jaea.go.jp/search/servlet/search?5054626

福島第一原発周辺で発見した放射性粒子

福島第一原発周辺で採取した土壌およびダストから放射性粒子の分離を行った。分離したすべての粒子はCs同位体比から、1号機、2号機由来に分けることができ、1号機由来の粒子からのみ134Cs,137Csに加えわずかに125Sbも検出された。また粒子の成分は80wt%がケイ酸であることが判明した。

 ちょっとここだけ、アンチモン(Sb)が出てきた私の勝手な推理ですが、
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/03/03060502/05.gif
05.gif 
アンチモンはベリリウムとの合金状のものが、中性子源として使われるので、これがメルトスルーで格納容器内に出た時に、液化して他の物質と合体したのではと思ったけど、1号ベントの時間にメルトスルーしていたとは考えられませんね。

http://jolissrch-inter.tokai-sc.jaea.go.jp/search/servlet/search?5049797

福島第一原発付近の土壌中の粒子状Csの形態

福島第一原子力発電所から5km圏内の地域で採取した土壌から、高濃度に事故由来の放射性Csを含む粒子を分離した。粒子の放射能を原子炉停止時に壊変補正すると、134Cs/137Cs同位体比は0.90であり、1号機の同位体比と一致した。


日本放射線安全管理学会第14回学術大会
開催年月 : 2015/12

http://jolissrch-inter.tokai-sc.jaea.go.jp/search/servlet/search?5053659


福島第一原発周辺で見つかった放射性粒子の特徴

福島第一原子力発電所事故では、Csを高濃度に濃縮した放射性粒子が放出したことが確認されている。本研究では原子力発電所周辺の特に線量が高いエリアにおいて土壌等を採取し、放射性粒子の分布およびその特徴を分析した。その結果、土壌試料から、複数の放射性粒子が確認された。特に原子力発電所から北北西方向約7kmの地点では数百μmに達する放射性粒子が複数見つかった。見つかった放射性粒子は、先行研究において、原子力発電所から20km北西に離れた地点、およびつくば市で見つかった粒子と元素組成、並びに粒子の表面状態が類似していた。
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RでJAGSとやらを使うつもり [統計学もどき]

以前に検索で見つかったこちらのPDFから
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/FSEB/abstracts2015-8.pdf

村瀬香・名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科

階層ベイズと統計モデリングを通じて、原発事故が野生動物とヒトに与えた影響を考える

という発表が気になりまして、これらを勉強するために

データ解析のための統計モデリング入門――一般化線形モデル・階層ベイズモデル・MCMC (確率と情報の科学)   久保 拓弥 (著)

というのが定評があり、幸い県立図書館に置いてましたのでリクエストして借りました。
なかなか簡単に読み進めませんが、階層ベイズモデルを使うにはRだけではだめで、WinBUGSというのを使わないといけないと書いてありました。一応インストだけしてみるかとチャレンジしたところ、いまどきパッチをあてるなどと言うことを要求したり、Win7で使うにはいろいろややこしいことを要求したのであきらめかけたところ、村瀬香氏の論文を探すと#原子力発電_原爆の子さんブログに翻訳があり、ここを見ると分析に使ったソフトが書いていました。

http://besobernow-yuima.blogspot.jp/2015/04/httpt_3.html
#Nature 誌サイエンティフィック・リポーツ「オオタカの繁殖に対する福島第一原発事故の影響」

「われわれは、R 3.0.2上でJAGS 3.3.0とrjags 3–12を用いてMCMCサンプリングを実施した。サンプリング過程で、最初の10,000回試行はしくじりとして破棄され、MCMC連鎖ごとに100回試行をサンプリングとして、200,000回試行を実施した。5連鎖に対して、同じ手順が適用され、10,000件のサンプルが生成された。われわれは、収束兆候を求め、また値が1.0に非常に近接することを確かめるために潜在スケール減少係数R30の多変数版を計算した 30。」

JAGSというのがWinBUGSの代わりで、rjagsがRからJAGSを動かすものとわかりました。
久保 拓弥氏のHPにちゃんとインストの仕方が出ておりまして

生態学のデータ解析 - R で JAGS (rjags 編)
http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~kubo/ce/RtoJags.html

一応 RやEZRから JAGSが使えるようになったはずです。サンプルを試してみたけどうまくいかずあきらめかけていたところ、こちらにあったサンプルは

JAGSを使ってギブスサンプリングを試してみた (1)
http://www.singularpoint.org/blog/r/mcmc-jags-1/
JAGSサンプル.png
意味はわかっていませんが、動いたみたい。

Rでポアソン分布の共役事前分布とやらを試したつもり


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