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クローズアップ現代でセシウムボールが取り上げられました。 [原発問題・ホットパーティクル]

ここのところ加計問題ばかりでしたので、セシウムボール系にアンテナを張るのを忘れてました。
NHKがあのサイエンスゼロの続編をクローズアップ現代で取り上げてくれましたね。

原発事故から6年 未知の放射性粒子に迫る
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3986/index.html
kurogen.png
動画はこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=Ub0E07cHLIA

日経の記事があって、なにやら動きがあるのかなという予感はあったのですが、まさかテレビ番組という形で出てくるとは思ってもいませんでした。

 ここのブログで紹介した宇都宮教授、佐藤志彦氏、箕輪はるかさんが登場されてうれしい限りです。
ただ成分の中のウランの存在とかがまったく出てきませんでしたので、やはりクロ現は一般向けなのでここらはカットされてしまったのかな。

まあおおむね満足しておりますが。

さて、サイエンスゼロの時は、つくばでのサンプルが中心でしたが、今回は比較的原発に近いところの土壌などから出てきた不溶性微粒子にスポットを当てていましたね。
kurogen2.png

これのAタイプはセシウムボールで、いびつな形のBタイプ ボール状じゃないので、不溶性放射性微粒子、九大宇都宮教授はセシウムボールも含めて総称でCsMPsと呼んでいましたが。
佐藤志彦氏の説明では、断熱材とかにセシウムが吸着し、水素爆発で外に出て行く時に、断熱材なども解けて、セシウムなどの放射性物質と合体したものということでした。

これは次の論文で、1号機から放出されたものの特徴として詳しく述べられています。

福島第一原子力発電所事故により1号機から放出された放射性粒子の放射光マイクロビームX線分析を用いる化学性状の解明
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunsekikagaku/66/4/66_251/_pdf

要約部分

2011年3月の福島第一原発事故により,1号機由来の放射性物質が飛来したと考えられる原発北西地域の土壌から,強放射性の粒子を7点分離した.分離された粒子は100 μm前後の大きさで歪いびつな形状のものが多く,2号機から放出されたとされる直径数μmの球形粒子(Csボール)とは明らかに異なる物理性状を有していた.これらの粒子に対して,大型放射光施設SPring-8において放射光マイクロビームX線を用いた蛍光X線分析,X線吸収端近傍構造分析,X線回折分析を非破壊で適用し,詳細な化学性状を解明した.1号機由来の粒子はCsボールに比べて含有する重金属の種類に富み,特にSrやBaといった還元雰囲気で揮発性が高くなる元素が特徴的に検出され,粒子内で明確な元素分布の不均一性が見られた.粒子本体はCsボールと同様にケイ酸塩ガラスであったが,Feなど一部の金属元素が濃集した数μm程度の結晶性物質を含有していた.これらの粒子は3月12~13日に大気中に放出されたものであると考えられ,核燃料と格納容器との熔よう融がかなり早い段階で進行していたことが示唆された.さらに放出源の推定において,放射性物質自体の化学組成情報が放射能比に代わる新たな指標となることが実証された.

本文中にもウランの存在は出てくるのですが、次のグラフをみると、セシウムボールほど、はっきりと出てきてないようですね。核になる部分が断熱材の成分に覆われているため、検出しにくいのかもしれませんね。
も一つ厄介な物質を見逃していました。ストロンチウムですね。要約文にもありますが「特にSrやBaといった還元雰囲気で揮発性が高くなる元素が特徴的に検出」と。これは要注意です。
セシウムボール.png
ちょっとストロンチウムに関する本文記事のところをキャプチャで失礼。
ストロンチウム.png
 前に気象研の最初の論文でストロンチウムが検出されてないということでしたが、いびつな形の1号機放出不溶性粒子にはしっかり含まれているということですね。

 本文がコピペできないのと時間不足でこのくらいにしておきますが、クロ現のあった日に起きた重大事故。昨日の報道でさらに驚かされることになんと22000ベクレルのプルトニウムです。

作業員1人肺から2万2千ベクレル 国内最悪の内部被曝
http://www.asahi.com/articles/ASK67424PK67ULBJ006.html

被曝医療に詳しい、国際医療福祉大クリニックの鈴木元院長は「2万2千ベクレルは量としては多い。肺に入ったプルトニウムは、1週間から10日かけて化学薬品を霧状にして吸入させたり、点滴したりして排出させる。その後、体内に残っている量を調べて健康への影響のリスクを判断しなければならない」と話す。

お 疑惑の国際医療福祉大ですが、この先生の言ってることはまともです。

ホットパーティクルと違って水溶性のものと思われますが、骨に溜まることも想定され、肺の洗浄や気レート剤ですべてが排出されることは困難でしょう。

原発事故のセシウムボールなどの不溶性放射性微粒子ではプルトニウムが検出されてませんけど、あのICRPの甲斐教授が、内部被曝の影響は評価を見直す必要があるといいましたので、長期に渡って局所に留まった場合の危険性は、放射線量が低いといっても侮れません。

また、時間ができたら詳しく書きたいと思います。

https://twitter.com/rollotron/status/845191603396362243

チェルノブイリ事故時に問題になったホットパーティクルはα線粒子なので細胞表面から数十ミクロンで吸収線量は急速に減衰する。γ線粒子であるセシウムボールの吸収線量の減衰は非常に緩やかで放射線は深い位置まで到達する。

これが実は気になっています。今回クロ現に出てきたシンポジウムの時の発表かな。また探してみます。

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コメント 7

ryu-ron

これは信じられない数字です。
体内へ総量36万ベクレルか 被曝の50代作業員
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG08H1O_Y7A600C1CR0000/

日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センター(茨城県大洗町)で5人が被曝(ひばく)した事故で、肺から2万2千ベクレルの放射性物質が検出された50代の男性作業員について、体内に取り込んだ放射性物質の総量は約36万ベクレルになると機構が試算していることが8日、分かった。この値をもとに暫定の被曝量を1年で1.2シーベルト、50年で12シーベルトと算出したという。

大丈夫かな。
by ryu-ron (2017-06-08 12:20) 

ryu-ron

こっちも忘れちゃならないことなのだが
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2017/05/12/JD0055742675

なんと10月まで延びましたか。

住民側弁護団によると、方針変更は▽火山が噴火した際の降下物を巡る規制基準に専門家が疑問を呈している▽元原子力規制委員長代理の島崎邦彦東京大名誉教授(地震学)が地震の想定に使う一部の計算式で過小評価の可能性を指摘した―などが理由。「早く判断してもらいたいのに変わりはないが、重要な事実がたくさん発生し、置き去りにできない」としている。

うん 押し気味ではあるのですが、頑張っていただきたい。
by ryu-ron (2017-06-08 13:13) 

ryu-ron

うおお これも忘れていました。そろそろかと思っていたのですが。
https://twitter.com/kennkou1/status/872592437243387904

6月5日に福島県の県民健康調査検討委員会は小児甲状腺がんの数が計191人に増加したと発表しました。前回の検査よりも6人ほど増加しており、2011年の検査からずっと増加傾向が継続中です。

やはり止まることはない。
by ryu-ron (2017-06-10 13:35) 

ryu-ron

5日は国会のあった日でしたね。気がつきませんでした。
平沼さんのまとめ。
http://fukushimavoice2.blogspot.jp/2017/06/201765-277-132017331-1-28-2-382.html

本格検査(3巡目)
悪性ないし悪性疑い 4人(前回から4人増)

ここが特徴的でしょうね。
by ryu-ron (2017-06-10 13:49) 

足田考人

Ryu-ronさん、おひさしぶりです。足田考人です。
Ryu-ronさんの記事を見て「分析化学」の論文を知り、ダウンロードさせてもらいました。有難うございます。
この研究は非常に優れています。スプリング8を利用するなど、最高レベルの分析技術を駆使するだけでなく、科学的・論理的に結果を考察していることに感銘を受けました。無料DLもありがたいです。(多くの論文は考察の部分が希薄ですし、海外の学術誌などは数ページの論文に何千円も取られます)
これまで、セシウム・ボールについては、粒子が小さいことなどから、本当に原子炉からそのまま放出されたものか、筑波に飛んでいく途中で空気中の粒子に付着したようなものなのか、私にはよく分かりませんでした。
特に疑問だったのは珪酸ガラスだということです。珪素(Si)は核分裂生成物ではないし、原子炉の中に核燃料以外では鉄合金系の金属しかないと思っていたからです。珪素というと、格納容器の蓋のシリコンゴムぐらいしか思いつかず、珪酸ガラスが原子炉内でできるとは想像できませんでした。
しかし、この論文のFig.2を見ると、珪素以外にカルシウムのピークも明瞭であり、両者を主成分とするコンクリートが溶融したものと断じてよいと思いました。
原子炉内のコンクリート構造物というと、圧力容器の台座であるペデスタルと格納容器の底の部分が考えられます。これまで、これらのコンクリートが溶けるほど酷くはなかったと思っていましたが、考えを改めました。おそらく、少なくとも圧力容器と接しているペデスタルの上部や内壁は、部分的に溶融したと思われます。
これまでの私の考察で、1号機のベントラインが湯垢(スケール)のようなもので詰まったと推定し、これを「放射性スケール」あるいは「セシウム・スケール」と呼びました。
http://ashidakouto.blog.fc2.com/blog-entry-6.html
スケールの正体はセシウム塩(例えば水酸化セシウムとかヨウ化セシウム)だと考えていましたが、長期的な安定性に疑問がありました。しかし、これが珪酸ガラスだとすればその疑問は無くなります。
また、3月12日に双葉厚生病院に大量に降ってきたという「白い綿」について考察し、1号機ベントの終わりごろに「放射性スケール」の断片が排気筒から放出されたと考え、その飛跡を推定しました。
http://ashidakouto.blog.fc2.com/blog-entry-8.html
「白い綿」という表現からもファイバー状の物質だと思われ、論文の電子顕微鏡写真に見られる細長い形状とも符合します。
このようなコンクリートまで溶けるような高温は、残留熱だけでは説明できないと思います。私はキセノン135mの存在などから、再臨界(即発臨界)を確信していました。
http://ashidakouto.blog.fc2.com/blog-entry-3.html
また、キセノン135/133比の検討から、1号機の再臨界は3月12日0時ごろから約24時間続いたと推定しました。
http://ashidakouto.blog.fc2.com/blog-entry-9.html
北陸電力志賀原発の事故と同様に、圧力容器の急減圧に伴って制御棒が脱落して即発臨界が起こったと推定していましたが、その規模については甘く見ていました。
以上、御礼まで。
by 足田考人 (2017-06-10 18:14) 

ryu-ron

うわ足田考人さん 恐縮です。
丁寧に説明いただいてほんとにありがたいです。勉強させていただきます。
by ryu-ron (2017-06-10 18:44) 

ryu-ron

おお さつきさんが、JAEA事故のことを書いてくれてます。
https://blogs.yahoo.co.jp/satsuki_327/43311854.html

つまり,ウランの同位体はどの核種も同じエネルギーのX線を放射する。このことは,検出されたX線が必ずしも235Uのものとは断定できないことを意味する。例えば,238Puの娘核種である234Uや240Puの娘核種である236Uと区別できない。

なるほど とわかったふり。
by ryu-ron (2017-06-13 13:59) 

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