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BSL3実験室を鉄骨7階建ての5階に設置した場合の諸問題(1) [加計学園問題]

 なんか論文タイトル風ですが、番頭ワタナベ氏のスラップ訴訟をまとめるつもりが、いろいろ次から次へと出てきますので、なかなかまとめきれません。

まず前回に続いて、月刊テーミスさんが取り上げていただきました。
https://twitter.com/themistwit/status/1034753703998185472
【月刊テーミス9月号が発売になります】総裁3選を目指す安倍首相の最新情報のほか、皇室スクープ、加計学園問題追及など話題満載です。

前田有一氏の画像をお借りします。
te-misu.png

 保守本流の方々が定期購読されているので、安倍総理支持者からも加計学園問題なんとかならんのか、という声が聞こえ出しているようです。

 ずっとBSL3問題は書いてきたのですが、今回は建築基準法の観点からチャレンジしてみたいと考え、番頭氏のスラップ訴訟とは趣をかえて検討して見たいと思います。

 ということで本題に入ります。

1.法的に何も問題もないという意見に対する反論

 まずツイッターで獣医学部棟始め、管理棟以外に杭を打っていないという問題が発覚し、ツイッターで拡散したところ、獣医学部擁護派(必ずしも加計学園擁護派ではなく、地元今治の方中心でせっかく獣医学部も始まったのだから温かく見守って派が多い)の方々から、あのいこいの丘の土地は地盤がしっかりしているから杭を打たずにベタ基礎(直接基礎)でまったく問題ない。構造計算もそれを前提として建築確認も通ったし、工事の完成検査も終了している。

 たしかに現に設置認可も得て、4月には新入生も入学し、授業も進んでいる。つい先日、8月25、26日にはオープンキャンパスも行われました。今、時計の針を戻すようなことをするなという心情も理解できなくもありません。

 建築単価水増しとか、国家戦略特区とか、学部設置認可とか、それぞれ法的側面から見て完全にシロといえる部分はないわけで、グレーゾーンもかなりある。そうである以上は、法的に”なにも”問題ないとはどういうことか?刑事責任、行政上の責任、民事責任で一切違法性なしとはいえないわけで、それをもって「何も問題はない。」という主張は無に帰するわけですが、それではあっさり終わりすぎるから、建築基準法に絞って今回は考えます。

2.現行建築基準法体系はBSL3,P3を規制の埒外に追いやっている。

活断層のあるところにBSL3の実験室は大丈夫か? 
https://ryukei-rondan.blog.so-net.ne.jp/2017-10-26

の記事を書いた時に、コメントで耐震強度のことをあれこれ書いたのですが、結局今治の獣医学部の建物は、大学での新築ですので、1.25倍にする要請はあって、これはクリアーしているという今治市の第三者委員村上教授の報告はあります。書いた当時は断層を”活断層”と勘違いしていたり、加計学園は1.25倍までやってないと睨んでいたこともあって、コメント部分を読むと混乱されるかもしれませんが、コメントで紹介したリンク先を丹念に読むと出てきました。

文教施設の耐震性の向上の推進について
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/t19960930001/t19960930001.html
一 新築建築物について
今後の文教施設の整備に当たっては、以下の諸点に留意することが望ましい。
(一) 地震時の児童・生徒等の安全確保に併せて、大地震後における教育研究活動の速やかな回復、また、被災直後の一時的避難施設としての機能を考慮すると、設計用地震力の割増(一・二五倍程度)を考慮することが望ましい。

 もっとも小学校から大学まで新築であればほとんどのところが守っている基準ですから、世界に冠たる獣医学部を目指す建物ならもっと上の安全基準をみたすべきなのですが、法的に規制されているのは、感染症法による場合BSL4のみ、それと国立の「放射性物質若しくは病原菌類を貯蔵又は使用する施設及びこれらに関する試験研究施設として使用する官庁施設」は1.5倍をクリアーすることが要求されてます。
http://www.mlit.go.jp/common/001050232.pdf

このあたりのことは次の動画でも詳しく説明いただいているので、ぜひともご覧ください。

FFTV 加計学園獣医学部計画をバイオハザード(生物災害)の視点から見る/ゲスト:新井秀雄さん・川本幸立さん(バイオハザード予防市民センター)20170929
https://www.youtube.com/watch?v=WzRZiEMdobA

全部見られたnemさんのツイート

https://twitter.com/yo_nem/status/1035700641052516352
動画で解説されている「日本建築学会のガイドラインから」のフリップで、鉄骨造パネル構造の場合は接合部の工法やコーキング材の耐久性について十分な検討を要する旨の記載があり、ふと思ったことが...
Dl-MPSEUcAIsD19.jpg
 もうこの動画を見ていただけば、私がいろいろ書くこともないのですが、お急ぎの方は55分あたりから後を見ていただけばおわかりいただけると思います。

 結局 私立大学のBSL3,P3に関しては建築基準法上の規制はかけられていないということですねえ。加計学園はこれをいいことに安く、早く獣医学部棟の中に多くの実験室を設けることができたわけです。

3.設計荷重は本当に守られているのか?

いろいろ調べていて疑問に思ったのが、建築基準法の積載荷重で、ガーナの野口記念研究所の資料のPDFを見ていたらでてきたので気になって検討することにしました。

 今治の獣医学部が遵守すべきものだったのは次の規定でしょう。

「建築構造設計指針(平成21年版)」について
平成 26 年 10 月 9 日 文部科学省大臣官房文教施設企画部 参事官付整備企画係
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2014/10/14/1293759_003.pdf

 獣医学部旨の5階、6階ですが、BSL3(P3)2(P2)の部屋がありまして、教室のフロアーの中に、数値の違うエリアを構造設計上設けなければならないことになっています。書庫ほど大きくないのでどんなものかとは思ったのですが、あの加計学園急いでいたし金もない。ほんとにそんな手間のかかることをしたのかな、という素朴な疑問です。
<建築構造設計指針>(平成21年版).png
 これが今年でた平成30年版になると、区分に違いが出てきます。

建築構造設計基準の資料 平成 30 年版 平成 30 年4月 25 日国営整第 25 号
http://www.mlit.go.jp/common/001232972.pdf
001232972.png
教室と一般実験室の違いが歴然としてきます。物理とはいいがたいが、ここはBSL3を含みますので重い方で見るべきでしょう。

 条文はどうなっているか?
http://best.life.coocan.jp/k-rei/rei03/08/02/rei_085.html
建築物の各部の積載荷重は、当該建築物の実況に応じて計算しなければならない。ただし、次の表に掲げる室の床の積載荷重については、それぞれ同表の(い)、(ろ)又は(は)の欄に定める数値に床面積を乗じて計算することができる。

3 倉庫業を営む倉庫における床の積載荷重は、第1項の規定によつて実況に応じて計算した数値が1m2につき3,900N未満の場合においても、3,900Nとしなければならない。

 3項のような特殊なケースは下限を設けていますが、BSL3実験室、遺伝子組み換えを行うP3実験室には規制を加重する配慮は必要ですね。

 5階、6階の床の強度が心配になって、4階から1階までの図面を見てみました。枚数が多いので追記の部分に画像を置いていますが、太い柱2本に一つの部屋は接しているものの、4階より下の部分を見ると、実験室の上の両端にあたる部分には、鉄骨の柱がありそうな部分がない。つまり壁の力で5,6階の実験室の強度を保たなければならない。
 まさかと思うのですが、次の写真のようなイメージで、太い柱二本の部分につかまって支えている感じではないか?さぞかし握力がいるでしょう。
Dl4v4PhV4AAIkHz.jpg

 素人の戯言と思っていただいていいのですが、構造計算で実験室部分の強度がきちんとたもたれているかどうかは、数値できちんとわかりやすく説明をしていただきたい。今治市の第三者委員会の報告書5人が5人とも素人騙しの手抜き文書としか思えない内容になっています。

ちょっと追加です。訂正がいりそうでしたが「機器室」なので「厨房」ともとれるので、図面だけ。
共通機器室.png
実験室扱いなら、あのエリアは同じ強度になるはずですが。

4.行政責任と不作為の違法

 ちょうど同じタイトルの論文を見つけたので検討して見ようと思いましたが、長いし難解なので次の機会に改めて書くことにします。

行政責任と不作為の違法(1) 土 居 正 典
https://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20180901143351.pdf?id=ART0008066503

この時に書いたように
https://twitter.com/RyuRz733375/status/1033863943037452288
熊本地方の地震による伊方発電所への影響について
http://www.yonden.co.jp/energy/atom/ikata/page_08b.html
今治も伊方同様650ガルの加速度が想定されますが、いかに地盤がよくても地盤ごと揺れます。

page_08b01.gif

東日本大震災、福島原発事故、そして熊本地震で震度7が連続して起きるという現実を見て、痛いほど地震の怖さはわかっていると思っているはずだと。

 ところが今治獣医学部に一人の勇者が現れました。あの実験室で大丈夫だと。いずれはBSL4も必要だと。詳しくはてんさんが、次のブログで書いていただいてます。

渡辺俊平 准教授 岡山理科大学獣医学部 OC講演〜 不安…生命科学のデュアル・ユース性
https://ameblo.jp/et-eo/entry-12401189002.html

国立感染症研究所におられたから、行政責任の事はよーーくわかっておられるはずなのですが、心配する人は感覚が古いのだそうです。

 過去、感染症法の部分でバイオハザードと闘ってこられた市民活動家の方々の地道な運動は、厚生労働省の狡猾さの前になかなか成果を見出すことは難しかったようです。

 しかし2011年に武田製薬がちょっとした事故を起こしています。

湘南研究所における漏水事故の原因と再発防止策について
https://www.takeda.co.jp/shonan/qa/accident/

今回の事故の直接の原因は、遺伝子組換え生物を滅菌するために地上階に設けた実験滅菌排水原水タンク(以下、廃液タンク)につながる実験室内の水道栓を閉め忘れたことによるものです。さらに、廃液タンクから廃液が溢れた場合の防液堤として機能するはずだった滅菌室の防水に一部不良があったことが重なって、廃液の一部が階下の免震室まで漏出しました。

 地震が原因ではなかったようですが、免震構造にはしているようですね。ヒューマンエラーが原因のようですが、地震の時などはパニックになりやすいから、当然こういうことも起こりやすい。

もうちょっとこのあたりで勉強して次回に備えたいと思います。

遺伝子組換えに関するQ&A(第二種使用等)
http://www.lifescience.mext.go.jp/bioethics/anzen_faq/#6-1

規制すべきところを規制しなかった場合の行政責任。このまま今治獣医学部のBSL3施設、遺伝子組み換えのためのP3施設でもあるわけですが、排水、排気を含めた構造上の強度に対して政令、省令で規定を設けなかった。あるいは設けていたけど、行政庁側が検査、調査を怠っていればそれはそれで「違法」です。”何も”違法なことはなかったと現段階で判断するのは早すぎるでしょう。


 8月中に書きあげたかったのですが、結局三日になったので、安倍政治の日の記事といたします。
テーミス読者で安倍総理の支持者の皆さんには申し訳ない気もしますが、総理総裁選勝つと思いますが、そろそろお休みになったらいかがでしょう。さぞかしお疲れでしょう。次の任期満了までなんにもしないでお休み下さい。
sho_fj.jpg

1階から4階まで左側の柱の位置を間違っていましたので×してそのまま使っています。

1階です。
図面-001.png
2階です。
図面-002.png
3階です。
図面-003.png
4階です。
図面-004.png
5階です。
図面-005.png
6階です。
図面-006.png
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