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BSL3実験室を鉄骨7階建ての5階に設置した場合の諸問題(3) [加計学園問題]

前回記事
BSL3実験室を鉄骨7階建ての5階に設置した場合の諸問題(2)
https://ryukei-rondan.blog.so-net.ne.jp/2018-09-29
の終わりで加計学園情報公開裁判に触れた際、帯広畜産大学の図面のことを書いて、追記でその後の経緯をと思っていたのですが、あっというまに時間がたってそのままにしておりました。
帯広畜産大学施設課施設企画・管理係の方からメールが来ましたのでちょっと紹介させていただきます。
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公開された発注図の情報において、特殊な室名が記載されておりましたので、本学内部の委員会において協議し、公表の目的である工事情報に支障がないことから、室名を不明記とした修正を実施致しました。なお、公表の目的である当該工事は既に完了していることから、図面の書き換え理由等の公開は致しません。

また、今回の図面の修正については、文部科学省からの指示や情報公開訴訟に関連しての修正ではございません。
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ということです。反応が早すぎたのでにわかに信じがたいのですが、まだこちらの方の図面がそのままですので、文科省は自主判断に任せたのですかねえ。
https://twitter.com/RyuRz733375/status/1046993423184609281
こちらのPDFの27ページは修正がありますが、30ページは変わっていません。
http://www.obihiro.ac.jp/~faci/tsrc/uplodar/upload/ca_ekimu/src1/file_set70.pdf

あまり時間がないのでこの件はこのくらいにします。

さて、過去2回先送りにしてきたこの論文もいい加減に取り上げないと先送り達人の称号を授与しかねないのでここらで決着をつけます。
行政責任と不作為の違法(1) 土 居 正 典
https://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20180901143351.pdf?id=ART0008066503

 公害訴訟、薬害訴訟の判例解説が大部分ですが、土地、建物などの安全性に関して規制を設けなかったり、遵守するように指導しなかった場合の「不作為」について論じられてるのが次の場合です。
判例.png
 宅地造成法に基づく改善命令を大阪府側が放置していたためにがけ崩れが起き人身事故が発生したケースで、国家賠償法により損害賠償を命じた判決です。

 実験施設に関して、感染症をもたらす細菌類の飛散防止策につき行政が具体的に基準を設けなかったがために地震によりウィルスが飛散し、周辺住民が健康を害するということは十分予測できるのですが、これも類似の「行政の不作為」によるものと言っていいでしょう。
 バイオハザード予防市民センターにおかれましてもこれまで警鐘を鳴らしてこられたのですが、実際に事故が起きたケースが少ないことからなかなか進展しておりません。

次の文章は、バイオハザード予防市民センターに所属され千葉県議会議員も経験された川本幸立氏のご意見です。
http://y-kawamoto.com/
耐震偽装問題とバイオ施設の耐震安全性
http://y-kawamoto.com/pdf/taishingizou.pdf

従って、少なくとも感染症法に基づく文科省省令では 96 年耐震基準を明記することが求められます。これはWHO規定にもある通り周辺の住民の人権を尊重することからも不可欠であると考えられます。その意味からも施設周辺の住民の権利も感染症法改正の中で明記すべきです。

 専門用語は抑えられて読みやすい文章です。2007年6月の感染症法改正に関する時のものですが、残念ながらBSL3に関しては、レベル2、1とともにいっしょくたにされたままです。

感染症法の概要(特定病原体等の管理)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokusai_kansen/kento_iinkai/dai1/siryou1_4.pdf
3ページ
siryou1_4.png
1種がレベル4 今治獣医学部に関しては、耐震構造にする必要がないということになります。前に書きましたように国立大学の場合は、別の規定で1.5倍が義務付けられていますが、私立大学のBSL3では自主性に任せる。申し訳程度に1.25倍は満たしているというのですが、これも構造計算の上のことだけです。
 万一事故があれば「行政の不作為」の問題が発生するわけですが、文部科学省も厚生労働省、農林水産省も使うようになってから検査しますということで極めて楽観的に考えています。

 前回見ましたカタルヘナ法では、感染症法とは違った運用がされており、P1,P2,P3、P4実験室で特に耐震基準に違いを設けているわけではないようですが

(主務省令で定める拡散防止措置の実施)
第十二条 遺伝子組換え生物等の第二種使用等をする者は、当該第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置が主務省令により定められている場合には、その使用等をする間、当該拡散防止措置を執らなければならない。

 人為的なミスや自然災害を問わず遺伝子組換え生物が外部に拡散した場合は、措置命令を発し、対策を講じるよう命令をし、従わなかったり、次の機会も改善が見られない場合は罰則の適用があるので、こちらの法体系の中で事前防止措置がとれないものかと、素人判断ですが、あれこれ思案しているところです。

 建築設備の耐震設計 施工法-(社)空気調和・衛生工学会 を図書館で借りて格闘してきましたが、数式だらけでほとんど歯が立たず、3週間の期限が来てどこが大事かでさえわからず、ちょこっとコピーとっただけで返却しました。ネット上では空気調和・衛生工学会の論文も手に入りますので、気長に取り組んでいきたいと思っております。

 次の論文は著者がBSL3施設の設計施工をしている須賀工業(株)の人だったので、なんとか読みこなしてやろうとチャンレンジしたのですが、建築設備の耐震設計 施工法の中にあった数式やグラフばかりなので、プロの皆さんに読んでいただいて検討していただいた方が早そうですね。

設備技術者のための建築構造入門(4)配管・配線工事と建築構造体の関係
http://www.shasej.org/gakkaishi/0705/kouza.pdf

1ページ
1) 建築物層間変形に対する耐力と反力
2) 建築物の揺れとの共振
3) 熱伸縮の吸収法と耐震支持
4) 建物導入部および建築エキスパンションジョイント部の変位に対する配管支持と耐力

ということなのですが、今治の図面は、設備図や配管図は流出しなかったので、平面、立面から探っていくしかないのですが、BSL3の実験室の詳細図にはうっすらと配管の形がでています。
無題P3.png
これによれば安全キャビネットからのダクトや外気処理ユニットからの配管が要注意です。これがPSというパイプスペースの部屋を通って上に上がり、6階を通過して、屋上のハト小屋で吸排気をする。

ハト小屋はこちらをご覧ください。
http://hobea.or.jp/gallery/j-walk/no-173%E3%80%80%E9%B3%A9%E3%82%92%E9%A3%BC%E3%82%8F%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%8C%E3%83%8F%E3%83%88%E5%B0%8F%E5%B1%8B%E3%80%8D/
全体の立面図です。
図面立面全体.png
こちらは拡大したものです。
DqPg71AUcAAnveq.jpg
実際には5階のP2、6階のP2がふた部屋ありますので、これらの配管、ダクトの耐震性が果たして考慮されていたのか甚だ疑問ですし、BSL3実験室の設計施工の経験のある業者が本当に関わっているのか一切公表されていません。
 屋上のハト小屋にいたるまで配管はかなりクネクネするようなのですが、次のような免震配管システムを使っているというならともかく、今治市の第三者委員の報告書を読んでも具体的な対策が見えてきませんので、安全性に納得が行った議員さんが何人いたのか甚だ疑問です。

免震配管システム
http://www.tokyo-boeki-machinery.co.jp/products/pdf/WILLOW_j.pdf
WILLOW_j.png

もう少し続けますと、設備技術者のための建築構造入門(4)の2頁めに鉄筋コンクリートと鉄骨の場合で数値が違う部分があります。
1.2 立て管の層間変形 のところですが

層間変形角
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%A4%E9%96%93%E5%A4%89%E5%BD%A2%E8%A7%92

層間変形角(そうかんへんけいかく)は、建物の構造計画をする場合において、2次設計で最初に行う検討である。

架構がまとっている内外装材等が地震によって脱落、崩壊するのを防ぐために行うもので、規定値は1/200以下であるが、帳壁や内外装材、設備等に相応の措置が講じられている場合に限って1/120以下まで緩和が認められる。なお鉄骨ラーメン造などの柱・梁部材断面はこの規定値によって決まることが多い。一方ブレース構造は剛性が大きいので規定値を越えることはまれである。

検討式: r=δ/h

r: 層間変形角
δ: 層間変位
h: 高さ

まー難しいですね。
soukanhenni.png

鉄筋コンクリートと鉄骨のこの差って何なの?という疑問ですが、是非プロの方にやさしく説明していただけるとありがたいです。

さて長くなり過ぎてるので閉めていきますが、耐震性に関して国土交通省は体系的に定めて行っていて、規則や告示ではかなり数式もでてきますね。
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr_000043.html

バイオハザード施設に関して個別に基準を定めてもらいたいところですが、複雑になりすぎてもまた専門家にごまかされる。前回見ました帯広畜産大学のPDFファイルの中に参考になるものがありました。3ページめに出てきますが
帯広畜産大学の特記仕様書
http://www.obihiro.ac.jp/~faci/clip/img/230.pdf
機器を固定する場合の設計用水平震度
d3852fb4-a285-4e24-8040-2b48fe13c376.png

 見る人が見ればこの数値の意味はすぐわかるのでしょうが、これは空調配管工事になるので、全体ではなく部分の耐震強度を要求するのに数値化したものです。こういうシンプルな基準の決め方で、バイオハザード施設の耐震性を設計段階でチェックできるようにするというのが理想的ではあるのですが、先は長そうです。
 上の表の中に、上層階、中間階という区分があります。そう私が去年の臨時国会でこだわった部分ですが、今回タイトルになっている「7階建ての5階」のところが関係します。国会では文部科学省の当時の審議官義本氏が「BSL3施設は上層階に作らないと聞いてます。」と言ったので、この野郎ウソついてるなと思ったのですが、建築の用語で言えば7階建の建物の5階部分は上層階にならず、中間階になるということなのです。その意味では加計学園はウソは言ってなかったんですねえ。
 図書館で借りた「建築設備の耐震設計 施工法の中」の中にありました。
702c331c-ca71-42ce-b4fa-67b937261aa8.png

 これでこのシリーズはいったん閉じますが、今回紹介した「配管・配線工事と建築構造体の関係」の1回前に

設備技術者のための建築構造入門(3)設備機器および配管用耐震基礎
http://www.shasej.org/gakkaishi/0704/kouza.pdf

というのがあってコンパクトにまとめられていますので、これを読みこんで修行していきたいと思います。再開時期はあくまでも未定ですが。
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ryu-ron

アップしてすぐですが、ここの説明がわかりやすいですね。
http://www.manshon.jp/taishin/taishin_a_19.html
立て配管の耐震方法
高層の建物を縦断する立て配管は、地震時における建物の層間変形に対して追随しなければなりません。一般に建物の層間変形は、鉄筋コンクリート造で1/200、鉄骨造で1/100を想定しますが、これを超えるおそれのある場合は、構造設計者とも相談し対応していくことになります。 下図は、固定すべき所は強固に固定し、動きに追随させる所は可とう性をもたせ柔軟に対応させるという耐震設計の考え方の例です。
by ryu-ron (2018-10-25 10:29) 

山口太郎

KSUのBSL3施設は低層建物の16号館(RC造、地下1階、地上3階建て)の地下1階ですからね。まあ、ガチ本気の施設です。
https://www.kyoto-su.ac.jp/about/info/ahcetq0000000znr-att/kyotosangyo_ffl_tsecchi_zumen.pdf
KSUは京都市内の洛北地区1拠点に10学部、大学院を集める総合大学で感銘を受けるほどの美しいキャンパスです。アメリカの郊外型の一流私大をモデルにしていて、岡山のごちゃごちゃキャンパスや獣医学部のS造張りぼてキャンパスと比較すると、真面目に100年計画で世界的なプライベートユニバーシティを作る壮大な夢を持つKSUと予備校あがりの学校の本気度の違いは、キャンパス歩いたら直ぐわかりますよ。
日本の私立大学の中でKSU理系3学部を一番信頼できる河合塾偏差値で明確に上回っている理系は早慶と同志社、明治くらいしか無いんですけどね。
by 山口太郎 (2018-10-27 02:07) 

ryu-ron

山口さん お久しぶりです。京産大の鳥インフルセンターは立派ですねえ。安全性が断然違う。つくりもがっちりです。

>日本の私立大学の中でKSU理系3学部を一番信頼できる河合塾偏差値で明確に上回っている理系は早慶と同志社、明治くらいしか無いんですけどね。

ここが加計とは断然違う。
by ryu-ron (2018-10-28 11:50) 

ryu-ron

今 CRISPRでいずれノーベル賞をとるであろうダウドナさんの本を読んでますが、なかなか難解ながら奥が深いです。
京産大調べてみたら

https://www.kyoto-su.ac.jp/events/20170207_400n_bio.html

今回のセミナーでは私が経験したZinc-finger nuclease法から最新のCRISPR/Cas9法までの実際を紹介するとともに、標的遺伝子の破壊効率を上げる手法やTALEN法だからこそ可能な生殖細胞優先的な標的遺伝子破壊法、CRISPR/Cas9法でも可能な生殖細胞優先的な標的遺伝子破壊法、現在行っているノックイン法に関する試みなどをできるだけ分かり易く紹介しようと思います。

広大の教授を呼んで学生さんに広めてますねえ。
by ryu-ron (2018-10-31 08:10) 

ryu-ron

こちらの年報にCRISPR/Cas9を使った教授の報告がありますね。
https://www.kyoto-su.ac.jp/faculty/nls/ahcetq0000001aoo-att/2016_01_01.pdf
51,52ページ

難しくてわかりませんが、さすが最先端を行ってます。
by ryu-ron (2018-10-31 13:22) 

山口太郎

山田学長補佐、本格始動されています。

http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/social/events_news/office/kenkyu-suishin/kenkyu-suishin/event/2018/181222_1130.html/at_view/eventpdf
学術会議、京都大学と京都府立大とKSU連携。畏れ多くも、学祖の母校であり教鞭をとっていた京都大学、KSUのはるか彼方の雲上というか宇宙の上の存在なのですが。
京都府立大の佐藤先生もKSUで食マネジメント系学部構想をされていた方です。

文科省 特別部会本委員
http://www.mext.go.jp/kaigisiryo/2018/06/__icsFiles/afieldfile/2018/07/02/1406422_12.pdf

益川塾頭と共演
https://www.kyoto-su.ac.jp/project/masukawasympo/

大学として、地道に信用を積み重ねていくことが、サイエンスやライフサイエンス分野でKSUが将来、さらに海外含む多くの大学と連携していく上でのベースになるかとは思います。
by 山口太郎 (2018-11-04 02:42) 

山口太郎

獣医学部は残念ながら、あきらめているとは思います。

しかし、将来への種として、綾部市とKSUの関係は続いていきます。
https://blog.goo.ne.jp/gentarou-ayabe/e/ba3d5c60ad0fa5b3ce044d6ccf284369

KSU、今年度も京都大学生命科学の大学院に進学者を送り出します。
https://www.lif.kyoto-u.ac.jp/j/?page_id=277
平成28年から平成31年入試、4年連続。

目を疑うように、日本学術会議、共催連携しています。しかも、両校には正式な協定も何もないのですが。

http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/social/events_news/office/kenkyu-suishin/kenkyu-suishin/event/2018/181020_1410.html/at_view/eventpdf
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/social/events_news/office/kenkyu-suishin/kenkyu-suishin/event/2018/181222_1130.html
by 山口太郎 (2018-11-06 01:03) 

ryu-ron

四方府議さん頑張っておられますね。なんとか関係を維持していってほしいです。
いつの日か何かの形で綾部に貢献できればと願っています。
by ryu-ron (2018-11-14 17:30) 

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